最近、糖質制限でケトン体という言葉が注目を浴びるようになってきました。ケトン体ダイエットという言葉もよく聞くけれどダイエットに効果的なのか。ケトン体とは一体どのようなものなのか、どんな働きをするのか、健康にいい理由など、この記事で徹底的に解説します。
さらに、近年、予防医学や食育の観点からも注目されているファスティングとケトン体の関係性も解説させていただきます。ずばり、ケトン体を増やすにはファスティングが最も効果的です。ファスティングでケトン体を増やす方法とメカニズムも解説します。
ケトン体とは
ケトン体とは、分かりやすく言うと、飢餓状態などで栄養が足りなくなった時や、長時間の運動をした時に体の中で脂肪が変化して作られる物質(中間代謝産物)で、緊急時のエネルギー源として使われるものです。通常時はケトン体はほとんど身体の中にありません。
私たちは普段活の食事から得られる糖分をエネルギーに変えて活動しています。しかし、糖尿病や糖質制限、絶食など、脳や筋肉のエネルギー源である糖質(グルコース)が利用できない時に代わりのエネルギー源としてケトン体が使われます。
ケトン体が増えると
ケトン体が増えた状態を表す言葉として二つの言葉があります。それが、「ケトーシス」と「ケトアシドーシス」です。似た言葉ですが、重症度が異なるので一つずつ解説していきます。
ケトーシス
ケトーシスとは、血液中のケトン体の値が高くなった状態のことです。激しい運動や糖質制限、絶食、ストレスなどが原因でケトーシスになることが多いです。ただし、ケトーシスは健康上の問題になることはほとんどありません。
糖尿病が原因でもケトーシスになります。糖尿病は、インスリンが不足してブドウ糖がエネルギーに変換されないため、ケトン体がエネルギーとして使われます。
さらにケトーシスが起きているときは、アセトン臭という独特に匂いがするこがあります!アセトンとはケトン体の一種で、揮発性があるため、呼気や体表面から身体の外に出ていきます。ケトーシスが起きている目安としてよく使われます。
ケトアシドーシス
ケトアシドーシスはケトーシスがかなり進んだ状態で、体内が酸性に傾いています。ケトアシドーシスになると、健康な状態とは言えません。脱水症状や意識障害、時には呼吸困難など死に至る危険な状態になります。
血液中の総ケトン体量が多い場合には、糖質を摂っていないためにケトーシスになっているのか、糖質を摂っているのにインスリンが働かずケトアシドーシスになっているのかを見極める必要があります。ほとんどの場合、糖尿病の合併症である「糖尿病ケトアシドーシス」として発現することが多いです。
ケトン体は健康に良い?
結論からいうと、ケトン体を作り出すことが健康に良いです。ケトン体を作り出せる身体であるということは、血液のなかの糖の量がコントロールできているということです。
ケトン体を使える体、つまり血糖値の上り下がりが起こらない体は、身体に入ってくる糖の量が抑えられるので、糖尿病予防にも繋がります。血糖の量が増えると、糖尿病など様々な病気の原因や生活習慣病になってしまいます。
ケトン体は痩せる?
結論からいうと、ケトン体を適切に分泌することでダイエット効果が期待できます。ケトン体を使ったダイエットとして「ケトジェニックダイエット」があります。私たちは普段、ご飯やパン、麺などの糖質をエネルギー源にして活動しています。
そのエネルギー源を糖からではなく、脂質(ケトン体)を原料にした代謝サイクルに変えるダイエット法のことを「ケトジェニックダイエット」といいます。
ケトジェニックダイエット
具体的な方法としては、糖質の摂取量を50g以下、もしくはエネルギー摂取量の10%以下に抑え、タンパク質を摂取したうえで残りのエネルギーを資質から摂取します。目安として、食事の中でタンパク質・脂質・糖質のバランスを3:6:1にしましょう。
ケトジェニックダイエットでは、糖質を極端に制限してケトン体を増やし、エネルギー源としてケトン体を使うことで痩せるというものです。ケトン体は脂肪が分解されてできるものですので、ダイエットの効果が期待できるというものになります。
ケトジェニックダイエットでの食事の摂り方
ケトジェニックダイエットを行う際には以下のポイントを意識して食事を摂るようにしましょう。
1.糖質は1食あたり20g以下(1日あたり60g以下)
2.タンパク質は体重1kgあたり1.2g~1.6g(体重60kgの場合:60×1.2~1.6g=72~96g)
肉や魚はもちろん、卵や大豆製品も取り入れましょう。
3.葉野菜などは肉・魚と同じ量以上の量を摂取
根菜類(れんこん、にんじん、ごぼうなど)やイモ類、果物類は糖質が多いので少量にしましょう。
4.オメガ3脂肪酸を1日2g以上
青魚に多く含まれるので、サバ・イワシがおすすめです。牛肉からも摂取できます。
ケトン体が出ているかどうかの確認方法
ケトジェニックダイエットなどを行う際、実際に効果が出ているか確認する方法は血液検査や尿検査です。尿検査は、尿定性試験紙というものを尿に浸すと色が変わることで、尿中のケトン体が多いか・少ないかというのを調べることができます。尿検査は血液検査と比べても簡単です。尿定性試験紙はインターネットで購入することも可能です。
ケトン体とファスティングの関係性
体中にケトン体が溢れている状態「ケトーシス」になるには、ファスティング(断食)が非常に効果的です。前述の通り、ケトン体は飢餓状態などで栄養が足りなくなった時にもっとも多く分泌されます。ファスティングは意図的に飢餓状態を引きをこすため、ケトン体ドバドバです。
ケトン体が満ちることで、脂肪がどんどんエネルギーに変換されます。結果、体重減少や血糖値の安定化など、様々な健康効果が期待できます。ただし、短期間の無理なファスティングは、健康を害し、逆効果をもたらす可能性があります。
断食は決して簡単なものではありません。ケトーシスを目的としたファスティングに望む場合は、専門家の指導のもと、安全を確保してから臨みましょう。特に、過度に栄養を取らない、絶食などは危険ですので、絶対にやめましょう。
ケトン体をコントロールして健康的な身体に!
いかがでしょうか。ケトン体についてその意味やダイエットに効果的な理由を解説しました。以下簡単にまとめます。
・ケトン体とは栄養が足りなくなったときや長時間の運動をしたときに糖分の代わりにエネルギー源として使われるもの
・ケトジェニックダイエットとは糖質を極端に制限してケトン体を増やし、エネルギー源としてケトン体を使って痩せる方法
・ケトン体は、尿検査で確認できる
・ケトン体を増やすにはファスティングがおすすめ
ケトン体を増やすにはファスティングがおすすめです。専門家の指導のもと、ケトン体をドバドバだして、最大限効果的かつ安心安全のファスティングに臨みましょう。私たち楽々ファスティングにお任せください!