最近、ダイエットや筋トレブームで「オートファジー」という言葉を耳にされた方はいるのではないでしょうか。今回はファスティング(断食)におけるオートファジーのメカニズムと効果を解説します。
オートファジーの定義、メカニズムを頭に入れて、ファスティングを効果的に実行しましょう。
オートファジーとは
オートファジー (Autophagy) とは、細胞に備わっている細胞内のタンパク質を分解するための仕組みのことです。細胞自信が自分で自分を分解するため、日本語では自食作用ともいわれています。日本語だとわかりやすいですね。
オートファジー始まると、細胞内の古くなった悪玉タンパク質などが新しく作り変えられます。細胞内の有害物質がなくなり、新しいタンパク質に作り変えられるため、「細胞が生まれ変わる」という表現がよく用いられます。
断食でオートファジーが活性化するメカニズム
近年の研究で、断食やファスティングにはオートファジーを活性化する働きがあることが判明しています。
細胞は後ほど詳しく説明するミトコンドリアで、食事から得た栄養素と酸素を用いてエネルギーを生み出します。しかし、食事によって得られた栄養がたくさんある状態では、オートファジーはあまり働きません。
しかし、細胞が飢餓状態になったときに、働きが活発化することが判明しています。意図的に飢餓状態(栄養が足りない)状態を作ることで、身体はオートファジーによって細胞を分解して、エネルギーを作る材料にします。
そのため、空腹状態ではオートファジーが活性化します。この効果を利用した断食ダイエットは「オートファジーダイエット」などと呼ばれていますね。最近は「16時間」の空腹時間を作る16時間ダイエットも流行っていると思います。
16時間ダイエットはファスティングダイエットの入門編です。実際に最大限効果を発揮するにはより長時間のファスティングにチャレンジしてみましょう。
オートファジー活性化がもたらす健康効果
近年の研究で、オートファジーは、病気の予防や免疫の活性化に深く関わっていることが判明しています。細胞内の有害物質が少なくなることで、がんの予防や生活習慣病を予防する効果があるとされています。その他にも以下のような効果があると言われています。
・自律神経の安定
・免疫機能の向上
・血流の改善
・肌が綺麗になる
ミトコンドリアとオートファジーの関係
オートファジーを説明する上で、2016年に日本人の大隅良典栄誉教授が、ノーベル生理学・医学賞を受賞したことは避けられません。少し専門的な話になりますが、わかりやすく解説してみます。
細胞の中にはミトコンドリアという小器官(小さな内臓のようなもの)が数多く存在しています。ミトコンドリアは食べものから得た栄養と酸素を使って、細胞の活動に必要なエネルギーを作り出します。
元気で活発なミトコンドリが細胞内にたくさんあれば、多くのエネルギーを生み出し、身体は若々しく健康でいられます(ミトコンドリアは加齢によって減少します)
オートファジーは、これらのミトコンドリアの分解と再生を活発化させます。オートファジーの活発化による様々な健康効果のうち、特にがん細胞の抑制に対して注目されており、世界中の研究者が研究しています。
オートファジー効果を得る際のコツ
16時間以上の断食を行う
まずは16時間以上の断食を行いましょう。オートファジーは10時間以上の空腹期間を経てから活性化するという研究結果が出ています。そのため、最低でも10時間以上の断食は必須です。私達楽楽ファスティングでは、最大5日間の長期間のファスティングを推奨しています。準備食期間、回復食期間を設けて、断食期間中は専門講師がつきっきりでサポートします。
断食期間中は一定の生活リズムを保つ
オートファジーを活性化させるには、規則正しい生活リズムが重要です。特に睡眠時間の確保は必須です。オートファジーが行われいる間、身体はある種の飢餓状態に陥っています。そのため普段よりもストレスの影響を受けやすく、 悪影響を及ぼしかねません。そのため、生活リズムを保ち、心身ともに十分にリラックスすることが重要です。
積極的に水分を取る
食事をしないことで水分の摂取量が自然に減ってしまいます。そのため、水分は意識して摂るようにしましょう。水分を多く摂ることで、デトックス効果が促され、細胞のターンオーバーも活発化します。可能であれば消化酵素や生命維持に必要な最低限の栄養素が含まれたファスティングドリンクの服用をおすすめします。
ファスティングでオートファジー効果を実感しよう
以上、オートファジーの効果をファスティングの視点から解説してみました。ファスティングはオートファジーを活性化させることができる健康法です。
ダイエット目的だけではなく、健康な身体を手にいてるための、健康法の一環として、ファスティングを取り入れてもらえたら幸いです。