最近無添加ってよく聞くけど、食品添加物って体に悪いのかな…?
一概にはそうとは言い切れません!
無添加だからといって必ずしも体に良いわけではないのです!
はじめに
最近無添加という言葉をよく聞きますよね。
スーパーに行ってもよく見かけると思います。
そこでみなさんに聞きたいのですが、食品添加物にどのようなイメージを持ってますか?
「みたことのないカタカナが並んでいて、なんとなく危なそう。」
「人工物だし危ないに決まってる。」
そんなイメージの人がほとんどではないでしょうか?
「無添加の方が良いに決まってる」と。
ですが本当に食品添加物は体に悪くて、無添加は体に良いのでしょうか?
実は我々の気づかないところで、無添加には落とし穴があるのです。
今回はそんな食品添加物の知られざる秘密について紹介していきます。
無添加って?
まず「無添加」ってよく聞きますが、どのようなものを「無添加」と言われるか知っていますか?
「無添加っていうぐらいだから、添加物が何も入ってないもの」というイメージがほとんどではないでしょうか?
実はそれ、間違っています。
無添加だからといって食品添加物が入っていないわけではありません。
消費者庁は令和元年9月「無添加」、「不使用」の表示の在り方について、以下のように規定しています。
“1 .通常同種の製品が一般的に添加物が使用されているものであって、当該製品について添加物を使用していない場合に、添加物を使用していない旨の表示をしても差し支えないと考えます。なお、加工助剤やキャリーオーバー等で表示が不要であっても添加物を使用している場合には、「食品添加物無添加」や「食品添加物不使用」と表示することは避ける。また、「無添加」とだけ表示することは、何を加えていないかが不明確なので、具体的に表示することが望ましいと考えます。”
“2 .さらに、同種の製品が一般的に添加物が使用されることがないものである場合、添加物を使用していない旨の表示をすることは適切 ではありません。正直このままだとちょっとわかりにくいと思うので、わかりやすく説明します。まず1の「通常同種の製品が一般的に添加物が使用されているものであって、当該製品について添加物を使用 していない場合に、添加物を使用していない旨の表示をしても差し支えないと考えます。」についてですが、例えば清涼飲料水に安息香酸は保存料としてよく使うことが可能なため、清涼飲料水に「安息香酸不使用」と表示、また「保存料不使用」と表示することは可能。一方で2に「同種の製品が一般的に添加物が使用されることがないものである場合、添加物を使用していない旨の表示をすることは適切 ではありません。」”
消費者庁
というルールがあるので、例えば果実酒に安息香酸は使用することができないため、果実酒に「安息香酸不使用」と書いてはいけないというルールです。もう一つポイントがあって、1の「加工助剤やキャリーオーバー等で表示が不要であっても添加物を使用している場合には、「食品添加物無添加」や「食品添加物不使用」と表示することは避ける」についてです。これを説明するためには加工助剤やキャリーオーバーの説明が必要になります。
加工助剤
加工助剤とは、加工に添加物が用いられますが、最終的に食品に添加物が残っていない、もしくはごくわずかしか残らず、その食品に何ら影響を及ぼさないもののこと。
例えば上白糖を製造する際、添加物として活性炭が用いられることがありますが、ろ過により除去されるため、上白糖に表示する必要がないということです。
キャリーオーバー
一方キャリーオーバーとは、食品の原材料に使用され、その食品には使用されないもので、最終的に食品中には効果を発揮することができる量より少量しか含まれていないもののこと。
これは例えば、保存料を含む醤油で煎餅の味つけをした場合でも、せんべいにはごく微量の保存料が持ち越されるものの、非常に少量のため煎餅に保存料の効果がない場合なため、表示をする必要がないということです。
ではこれらを元に考えると、例えば食塩や砂糖なんかは添加物のイメージがないかも知れませんが、実際は添加物が使われてるわけです。
どうでしょう?ここまででどう思いましたか?
結構曖昧じゃないですか?
しかも私達多くの人は、無添加の方が良いイメージを持っています。
なので、食品メーカーは販売量を上げるため「無添加」の表記をしたいわけです。
となると、例えば「保存料無添加」と記載があっても、ph調整剤を大量に使用すれば保存料と同じ効果が期待できるため、そのような添加物が使われている可能性があります。
しかも保存料ではないため、使用料の基準はありません。
無添加ってこんなにも曖昧なものだったんだ…。
無添加ってあるからには本当に何も添加物が使われていないと思ってたよ。
曖昧さにびっくりですよね。
そう思うと添加物がない食品なんて逆に少ないのかも知れません。
じゃあ逆に食品添加物は安全なの?と疑問を持つと思うので、食品添加物が危険かどうかみていきましょう。
添加物って本当に危険?
さて、本題に入る前に化学物質について目を向けたいと思います。
みなさん何となく野菜や果物って有害なものは何もないイメージってありませんか?
ビタミン豊富で体に良いもの。そんなイメージの方がほとんどだと思います。
ですが、実は野菜や果物にも有害な化学物質って含まれてるんです。
例えばよくハムに含まれている亜硝酸ナトリウムって知ってますか?
発色剤に使われるもので、ボツリヌス菌やサルモネラ菌の繁殖を防ぐ効果もあるものです。
この亜硝酸ナトリウム、発がん性があるとよく言われます。
確かにそれは正しいです。
実際胃の中でニトロソアミン類という発がん性物質に変化します。
なので、食品に添加できる量は安全性検査をもとに厳しく制限されています。
この亜硝酸ナトリウム、実はホウレンソウには数百ミリグラム単位で亜硝酸が含まれています。
えっ….?て思いますよね。
この量実はハムに含まれる量よりもかなり多いのです。
つまり、ニトロソアミンの側面でみればハムよりもほうれん草の方がリスクが高いわけです。
他にもキャベツやセロリなどにも発がん性物質は含まれています。
また現代の食生活でも、野菜や果物から一日に1.5グラム~2.0グラムの天然の化学物質を摂取しているといわれています。
ですが人間には強靭な代謝能力があるため、普通の食生活を送っていれば問題ないわけです。
では、本題に入っていきましょう。
食品添加物が安全か危険かを判断する上で、メリット/デメリットを知る必要があると思います。
なので、それぞれ簡単に説明していきます。
メリット
まずはメリットから紹介していきます!
食品添加物には大きく分けて3つのメリットがあるので、それぞれ説明していきます。
1.保存料などの使用により、食中毒の防止を担っている
これは添加物の役割の中でも、かなり重要なものです。
というのも、食べ物というのは、簡単に腐ったりカビが生えてしまいます。
すぐに食べることができればいいですが、買ったものをすぐに全て食べることができない場合もありますよね。
例えばソーセージを一袋をすぐに全て食べてしまう人って少ないと思います。
(中にはすぐ全部食べる食いしん坊さんもいるかも知れませんが)
そうなると多くの人はちょっとづつ使って、冷蔵で保管しますよね。
ですが、一度開封すればカビや細菌類に汚染される危険性が伴います。
それにより、もし食品が汚染されてしまえば、食中毒などの健康被害にあう可能性があります。
えー、でもカビくらいなら、カビが生えたところを取り除けばいいんじゃない?
実際それでお腹痛くなったり、嘔吐したり体調崩したことないし。
カビを甘くみてますね…。
カビはそれぐらいで除去されないですし、とっても危険なんですよ?
この特にカビに関して、甘くみられる方結構いると思います。
しかし、カビってかなり危険です。
まず、一度カビが生えたものは除去することは困難です。
というのも、カビが生えたところを取り除いても、目では見えない部分に存在している可能性が高いですし、カビは熱にも強いので、加熱調理程度では危険性を取り除くことは不可能です。
また、カビ毒を摂取してもすぐに症状は現れませんが、摂取をし続けると、後に深刻な症状を引き起こす可能性があります。
また、カビには強力な発がん作用を持つもの、白血球を減少させるものなどがあることが研究で明らかになっています。
そんな危険性を防ぐために、食品には保存料や防カビ剤が使われています。
いやいや、保存料とかだって体に蓄積したら危険なんじゃないの?
いいえ、そんなことありません。
ちゃんと国が安全性をチェックしてます。
保存料が体に蓄積したら?と不安に思う方もいると思います。
ですが、日本では内閣府に設置された食品安全委員会が、日々中立かつ公正に添加物の安全性をチェックしています。
基本的には無毒性量の1/100量を毎日食べ続けても安全な量(一日摂取許容量)を上限量として、使用基準を定めています。
また参考にする動物実験では、ラットやマウスの一生涯に相当する期間食べさせ続けて毒性を調べる実験や、
生殖機能、赤ちゃんへの影響を調べる試験など、様々な角度から安全性をチェックした上で、使われているわけです。
となると、安全性もクリアしているわけです。
ここからは、あとは食卓や食べ物の使用用途によりますが、「安全性が確認された保存料によるリスクと、健康被害を起こすことが科学的に明らかになっている細菌類やカビによるリスク、どちらを取る?」という話になります。
無論すぐに食べてしまうのであれば、無添加のものがいいでしょう。
ですが、開封後しばらく保存するのであれば、保存料を使用したものを選ぶのが、健康被害を避けられる可能性が高いということです。
カビにそんなリスクがあるとは…。
知らなかったです。
我々の思っている以上にカビは危険です。
使用状況に応じて、無添加とそうでないものを使い分けるのが吉です。
また、保存料無添加と書いてあっても、序盤に紹介したように別のものが大量に使われている可能性があるので、よく見て判断しましょう。
ちなみに保存料を使わなければ、ものによってはスーパーに並ぶ前に腐っちゃうかも知れません。
2.味・色が簡単に良くなる
食品添加物を使うことで、食べ物の色や味を良くすることができます。
一見、別にしなくても良くない?と思うかもしれません。
ですが、例えばカップ麺は物にもよりますが100-300円程度で買えますよね。
その値段でもカップ麺は美味しいですし、安くて重宝する方もいると思います。
一方でラーメン屋のラーメンは1000円くらいしますよね?
もちろん様々なコストは入りますが、この違いは添加物の違いです。
ラーメン屋は店主が苦労して、良い食材を使ったり、自身で材料から調理したりしますよね。
一方カップ麺は添加物を使うことで味を整えることができます。
つまり簡単に美味しいものが作れるわけです。
スナック菓子なども同様です。
美味しいものを安く買うことができるのは、食品添加物のおかげといっても過言ではありません。
確かに同じものでも、添加物が使われているものとそうでないものとでは値段が違うもんね。
私たちの幼き頃を彩ったお菓子たちも、食品添加物があってこそなんです
3.食品の形を作る
これも食品添加物があってこその働きです。
みなさん豆腐を作るのに食品添加物が必要って知ってましたか?
実は豆腐を作るときに必要な「にがり」は、凝固剤として昔から使われてきた食品添加物の一つなんです。
豆腐は「にがり」がなければ豆乳が固まらず作れません。
そんな豆腐ですが、中国から日本に伝えられて1,000年以上経っていると言われています。
ラーメンの中華麺を作るには「かんすい」がなければあの独特なコシや風味や色はでませんし、こんにゃくは「消石灰」がないとアクが抜けず、雑菌もわく可能性があります。
このように食品添加物がなければ成り立たない食品は数多く存在します。
確かに言われてみれば、ゼリーとかもそうだもんね。
その通りです!
食品添加物なくしてはラーメンも、豆腐も食べられないのです。
デメリット
ここからはデメリットについて言及していきたいと思います。
もちろん食品添加物にはメリットだけでなく、デメリットも存在します。
逆にメリットしかなかったら恐いですもんね。
食品添加物のデメリットは大きく分けて2つあるので、それぞれ紹介していきます。
1.大量に摂取すれば体に毒
正直これはなんでも取りすぎたら体に悪いのは当たり前ですが、具体的に説明していきましょう。
まず、食品添加物には人間が一日に安全に使える量が定められています。
その上で、例えばハムに使われている保存料ソルビン酸を例に出します。
ソルビン酸の使用基準上限まで使ったハムを、体重50kgの人が一日どれぐらい安全に食べられると思いますか?
100gぐらい?200gぐらい?
いいえ、正解は625gです。
スライスハムで換算すると、約60枚程になります。
体重にもよりますが、スライスハムをそんなに多く食べる人いるでしょうか?
仮にいたとしても、これぐらいの数を食べても安全なわけです。
どうでしょう?添加物にナーバスになりすぎる必要がないことがわかると思います。
我々のもっとも身近な塩は一度に200g以上摂取すれば死にますし、毎日10-20gの塩を食べ続ければ心臓病のリスクは高まります。
ですが、1日7g以下であれば問題ありません。
このように、どれぐらいの量をとるかが重要なわけです。
体にいいからといって食べ過ぎは毒になるのと一緒ですね
そういうことです。
ちなみに、日本の安全基準はかなり厳しく、大幅な安全域をみています。
なので、仮にこの領域の10-20倍程度超えても、すぐに健康被害が出ることはありません。
もちろんこういったことが起きれば許されることではないですけどね。
2.脂質・糖質・塩分過多になる
これは注意したほうが良いです。
添加物は香りや味に影響を与えるので、例えば果汁20%のジュースでは残りの80%は水・砂糖・添加物でできています。
つまり80%の砂糖水なわけです。ですが、美味しいフルーツジュースのように感じますよね。
こういった点では意識的に気をつける必要があります。
フルーツジュース大好きだけど、あまり果汁のとこ気にしてなかったや…。
砂糖の取りすぎも良くないですからね。
こういった点は気をつけないといけません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
思ったより無添加にはリスクがあることが分かったのではないでしょうか。
食品添加物があるおかげで、食べれてる食品もありますし、食中毒の危険性から守ってくれている側面もあります。
なので一概にどちらが良い、どちらが悪いとは言えません。
どちらもメリット・デメリットがあるわけです。
なので、それぞれを状況に合わせて選択することが健康の上で大事かと思います。
それではまた次回の記事でお会いしましょう〜〜〜